屋外広告士に必要な屋外広告知識をまとめました。
問1
地域の景観的な特徴と、そこに掲出される屋外広告物の関係に関する記述として、 適切なものはどれか。
1.商業優先の地域では、屋外広告物の集積が繁栄の証しとなるので、いかなる場合でもできるだけ多くの屋外広告物を掲出することが、奨励されるべきである。
2.伝統的な景観が残る地域では、できるだけ新しい広告媒体を導入することによって、現代的な景観への移行をはかるべきである。
3.自然環境の豊かな地域では、営利目的の商業活動につながる人工的な屋外広告物の掲出は、できるだけ抑制されるべきである。
4.良好な住環境が維持されている住宅地域では、その環境の価値を保全するために、あらゆる屋外広告物の掲出が禁止されるべきである。
3
1.商業優先地域でも、屋外広告物の総量は上限があるべき。
2.伝統的な景観が残る地域では、新しい媒体を抑制すべき。
4.規模や意匠に配慮した屋外広告物は認められるべき。
問2
OOHメディアに関する記述の空欄に入る語の組み合わせとして、正しいもの正しいものはどれか。
OOHメディアとは、( a )にいる消費者に向けて掲出される広告物のことで、屋外広告物に加えて( b )、( c )などがある。
(a) (b) (c)
1.都市 インターネット広告 施設広告
2.住いの外 インターネット広告 雑誌広告
3.住いの外 交通広告 施設広告
4.都市 交通広告 雑誌広告
3
OOH=Out Of Home
問3
人の目が、どの程度の大きさのものを見ることができるのかを規定するのが視力(対象を識別する能力)である。視力1.0を説明する記述として、正しいもの正しいものはどれか。
1.適度な照明下で、視角1度の間隔が見分けられること。
2.適度な照明下で、視角3度の間隔が見分けられること。
3.適度な照明下で、視角5分(1度の12分の1)の間隔が見分けられること。
4.適度な照明下で、視角1分(1度の60分の1)の間隔が見分けられること。
4
視力1.0は、視角1分(1度の60分の1)の間隔が見分けられること。
問4
図の色彩に関する記述の空欄に入る語の組み合わせとして、 正しいものはどれか。
色彩の( a )により、赤、橙、黄の色は近くにあるように、青、紫などの色は遠くにあるように見える。この距離感の効果は波長の違いによるものであり、( b )の色彩は近くに見える性質が高い。この性質のため、図2より図1の方が重なっている2色の間隔が( c )見える。
(a) (b) (c)
1.進出性・後退性 短波長 近くに
2.進出性・後退性 長波長 離れて
3.連想性・象徴性 長波長 離れて
4.連想性・象徴性 短波長 近くに
2
(a) (b) (c)
2.進出性・後退性 長波長 離れて
問5
マンセル表色系は、正確な色のモノサシ(伝達方法)として規定されている。JIS「物体色の色名」の慣用色名に示されるベージュ色を、マンセル表色系によって表記した場合、正しいものはどれか。
1.10YR7/2.5
2.5YR8/5
3.6YR3/7
4.2.5Y8.5/1.5
1
1.10 YR7/2.5 ■
2.5YR 8/5 ■
3.6YR 3/7 ■
4.2.5Y 8.5/1.5 ■
※どのウェブサイトでマンセルとRGBを調べても異なる色が出てくるので、上のカラーは日本のWiki「JIS慣用色名」にある色を掲載しています。
問6
夜間における屋外広告物の効果を高めるために用いられる光の属性について、その単位や評価値の組み合わせとして、正しいものはどれか。
1.輝度 —— GI値
2.色温度 —— ケルビン(K)
3.グレア —— ルクス(lx)
4.照度 —— カンデラ毎平方メートル(cd/㎡)
2
輝度 —— カンデラ毎平方メートル(cd/㎡)
色温度 —— ケルビン(K)
グレア —— GI値
照度 —— ルクス(lx)
問7
屋外広告物の照明方式に関する記述の空欄に入る語の組み合わせとして、正しいものはどれか。
屋外広告物の照明方式は次の3つに大別できる。 ( a )...光源からの光を、直接利用する方式。 ( b )...広告物の外部に投光器などを、設置して照明する方式。 ( c )...半透明のプラスチック板などの、背面に光源を設置して用いる方式。
(a) (b) (c)
1.直接光式 外光式 透過式
2.自発光式 反射式 透過式
3.直接光式 反射式 背面式
4.自発光式 外光式 背面式
2.自発光式 反射式 透過式
問8
色光や照明に関する記述として、適切なものはどれか。
1.屋外にある広告板の見えは、一般に日向では青みに、日陰では黄みに傾く傾向にある。
2.光源の光色は、短波長域の光が多い光源では赤みを帯び、長波長域の光を多く含む光源では青みを帯びる。
3.LED電球の光は、方向によって光の強さが異なり、部分的に暗く感じるなど、均一に光を放射できないことがある。
4.テクスチャーは、素材表面にできる陰影の程度によって表情が変わるものだが、色が違って見えるなど、色の見えに影響することは無い。
3
1.日向では黄み、日陰では青み
2.短波長域の光が多い光源では青みを帯び、長波長域の光を多く含む光源では赤み
4.影響する
問9
下に示す屋外広告物の広告面に、イメージ写真の領域(a)と文字列の領域(b)を設定する場合、全体の構成としてメリハリがあり、バランスのよい面の分割や比重として、適切なものはどれか。
(a) (b)
1. 2 : 8
2. 3 : 7
3. 4 : 6
4. 5 : 5
2. 3 : 7
問10
読みやすい屋外広告物に関する記述の空欄に入る語の組み合わせとして、正しいものはどれか。
屋外を歩く人の目は様々なところを見ており、一カ所に滞留する時間は、( a )前後であると言われている。そのために屋外広告物の情報は、瞬時に判読でき、興味を持たせることが重要である。屋外広告物の読みやすさには、( b )だけでなく、( c )の色彩と文字のコントラストの大きさも影響を与える。
(a) (b) (c)
1. 3秒 広告板の形状 背景
2.0.3秒 広告板の形状 景観
3. 3秒 文字のサイズ 景観
4.0.3秒 文字のサイズ 背景
(a) (b) (c)
4.0.3秒 文字のサイズ 背景
デザインP84-85
問11
高齢者の目の衰えによる不便さを、できるだけ緩和する読みやすい屋外広告物の配慮に関する記述として、適切なものはどれか。
1.書体は、高齢者にも馴染みやすい明朝体を選択する。
2.メッセージは、できるだけ詳細にわかりやすく説明する。
3.掲出位置は、高くすることで目を引きやすくする。
4.図と地の色彩は、明度コントラストを明瞭にする。
4.図と地の色彩は、明度コントラストを明瞭にする。
問12
屋外広告物のデザインに求められる諸条件に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.屋外広告物のデザインに求められる機能性は、広告物を簡易に分解したり組み立てたりして、必要な場所に携行できることを意味する。
2.屋外広告物のデザインに求められる審美性は、造形的な魅力による訴求力の向上をもたらす。
3.屋外広告物のデザインに求められる経済性は、材質や構造、印刷方法等の最適な選択と組み合わせによって達成される。
4.屋外広告物のデザインに求められる景観性は、広告物とその背景や周辺との調和を目標とする。
1.屋外広告物のデザインに求められる機能性は、広告物を簡易に分解したり組み立てたりして、必要な場所に携行できることを意味する。
デザインP94
問13
書体(a)、(b)、(c)の欧文書体分類の組み合わせとして、正しいものはどれか。
(a) (b) (c)
1.サン・セリフ体 モダン・ローマン体 スクリプト体
2.ゴシック体 オールド・ローマン体 スクリプト体
3.サン・セリフ体 オールド・ローマン体 イタリック体
4.ゴシック体 モダン・ローマン体 イタリック体
(a) (b) (c)
1.サン・セリフ体 モダン・ローマン体 スクリプト体
問14
下の写真に示したような、鉄道駅構内の天井から吊り下げられたサインの種別として、正しいものはどれか。
1.空間系サイン
2.方向系サイン
3.識別系サイン
4.管理系サイン
2.方向系サイン
デザインP113
問15
屋外広告物に反射式の照明を採用する場合に、注意すべき事項を記した文章として、適切なものはどれか。
1.反射式の照明器具は、屋外広告物の表示面に明るさにムラが生じないような場所に設置することが望ましい。
2.反射式の照明器具を、屋外広告物の下部に設置すると、直射・反射のグレア(まぶしさ)が発生しやすいので注意を要する。
3.反射式の照明器具を、屋外広告物の上部に設置すると、周辺の光環境に影響が出やすいので、光漏れを極力抑える方策が必要である。
4.反射式の照明器具による、屋外広告物の表示面の照度は、文字等の伝えたい部分をより高めに、他の部分をより低めに設定することが望ましい。
1.反射式の照明器具は、屋外広告物の表示面に明るさにムラが生じないような場所に設置することが望ましい。
デザインP116
2.上部に設置すると、直射・反射のグレア(まぶしさ)が発生しやすいの
3.反射式の照明器具を、屋外広告物の下部に設置すると、周辺の光環境に影響が出やすいので、光漏れを極力抑える方策が必要である。
4.反射式の照明器具による、屋外広告物の表示面の照度を均一にすることが望ましい。
問16
街の中の景観構成要素の色彩を、トーンの違いによって整理した下図に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.景観構成要素において、屋外広告物はサイン・標識類と共に誘目性が高い。
2.祭時の色は時限的なものであり、街並みに対して鮮やかな位置である。
3.屋外広告物や建物外壁は、自然や樹木を「地」(背景)とし、「図」として機能する。
4.トーンとは、明度と彩度の複合概念であり、色彩の調子、印象として捉えることができる。
3.屋外広告物や建物外壁は、自然や樹木を「地」(背景)とし、「図」として機能する。
デザインP141
問17
次の表は、某都市の屋外広告物の色彩基準をマンセル表色系の色相と彩度で示したものである。 アの地域、イの地域ともにこの色彩基準に適合した色の組み合わせとして、正しいものはどれか。 ただし、この基準の対象は、屋外広告物の下地等の部分(表示面のうち、文字又は記号を除く部分をいい、地色や、図形、文字等の背景色、写真やイラストの部分等が該当する)を規定したものである。
アの地域 イの地域
1.10YR8/2 10R4/10
2.10B6/4 5YR3/6
3.2.5PB5/10 5Y8/12
4.5R5/6 5GY6/8
4.5R5/6 5GY6/8
問18
屋外広告物の製作に使用される素材の中でも、プラスティック材は汎用性や経済性、加工性にすぐれたものである。様々なプラスティック材の特徴や屋外広告物に使用する際の留意点に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.ポリカーボネートは、柔軟性があるが表面に傷がつきやすいので、物理的な接触が発生しないような部位に使用することが望ましい。
2.ABS樹脂は、対(耐)衝撃性、耐熱性、成型性が高いわりには加工が容易であることから、切り文字や箱文字の基材として用いられるようになっている。
3.アクリル板は、熱による収縮があるので、大きな寸法のものでは画面が垂れないように十分な厚みをもたせることが必要である。
4.ポリウレタンは、耐候性にすぐれ、製造や加工の過程において環境への負荷が小さい素材として、新たな利用方法が開拓されつつある。
1
ポリカーボネートは耐衝撃性・耐熱性・透明性が高い。柔軟性があるが表面に傷がつきやすいのは塩化ビニル。
デザインP162
問19
ラッピング広告に関する記述の、空欄に入る語の組み合わせとして、正しいものはどれか。
ラッピング広告は、シート材と( a )の活用によって、バス、鉄道などの輸送車両や( b )等の形状に対応して貼付け、広告メディアとすることが可能になった。車体全体をサインにする迫力がある一方で景観に与える影響も大きい。東京都の都バスでは自主的な( c )や審査機構などを設けて質的な向上を図ったように、デザインに対する配慮が不可欠である。
(a) (b) (c)
1.大型出力機 パッケージ 試験
2.シート加工 建物 試験
3.大型出力機 建物 デザイン指針
4.シート加工 パッケージ デザイン指針
(a) (b) (c)
3.大型出力機 建物 デザイン指針
問20
屋外広告物デザイン・制作のプロセスの各段階で行う、作業内容の組み合わせとして、誤っているものはどれか
(プロセス) (作業内容)
1.プロジェクトの立案 —————— 作業内容とスケジュールの設定
2.現場調査 —————— 人と車の交通動線の把握
3.コンセプトづくり —————— デザインの方向性に関するブレーンストーミング
4.プレゼンテーション —————— 使用する素材の選定や維持管理水準の検討
4
プレゼンでは計画内容の把握が十分イメージできるようにすることが大切。素材の選定や維持管理は設計で検討する。