屋外広告士に必要な屋外広告知識をまとめました。
問1
下図のように断面積A=100㎜2,ヤング係数E=200000N/㎜2 ,長さl=2m の棒に引張力N=10kN が作用した場合の伸び$\Delta \mathit{l}$として、正しいものはどれか。
1.4.0㎜
2.1.0㎜
3.0.1㎜
4.0.4㎜
2.1.0㎜
断面$A=100mm^2$
ヤング率$E=200,000M/mm^2$
長さ$\mathit{l}=2m$→$2,000mm$
引張力$N=10kN$→$10,000N$
伸び$\Delta \mathit{l}=$…?
公式: $伸び=\frac{引張力}{断面積 \times ヤング率}\times 長さ$
↓
$\Delta \mathit{l}=\frac{N}{AE}\mathit{l}$
$\Delta \mathit{l}=\frac{10,000N}{100mm^2 \times 200,000N/mm^2} \times 2,000mm=1.0mm$
問2
下図に示すトラス構造において、3つの節点に鉛直下向きに荷重が作用している。部材Aに生じる軸方向力として、正しいもの はどれか。ただし、軸方向力は、引張力を「+」、圧縮力を「-」とする。また、部材のわきに書いてある数値は、各部材の長さを示している。
1. 0kN
2.+30kN
3.+40kN
4.+50kN
3.+40kN
$\Sigma Y=0$より、$+40kN$
問3
コンクリートおよび鉄筋に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1.普通ポルトランドセメントを用いた材齢28日のコンクリートの圧縮強度は、通常の場合、材齢1年の圧縮強度の80%程度である。
2.鉄筋のヤング係数は、強度が2倍になっても、ほとんど変わらない。
3.コンクリートのヤング係数は、強度が高くなると、小さくなる。
4.普通ポルトランドセメントを用いる場合、一般に、コンクリートの水セメント比が小さいほど、大気中における中性化速度は遅い。
1.その通り。
2.鉄筋のヤング係数は強度に関係なくほぼ一定。$2.05 \times 10^5(N/mm^2)$
3.コンクリートのヤング率は$F_c$が大きいほど大きくなる。設計・施工P45
コンクリートのヤング係数
$\Large{E_c=3.35\times 10^4 \times (\frac{ \gamma}{24})^2 \times (\frac{F_c}{60})^{\frac{1}{3}}}$
$\gamma$: コンクリートの気乾単位体積重量($kN/m^3$)
$F_c$: 設計基準強度($N/mm^2$)
4.その通り。
問4
次の文章が説明している現象として、正しいものはどれか。
弾性限度内であっても、材料に小さな応力振幅を繰り返し加えたとき、この材料に損傷が累積して強さが低下し、材料が破壊する現象。突然破壊するため、大きな事故を引き起こす要因ともなる。
1.弾性破壊
2.靱性破壊
3.脆性破壊
4.疲労破壊
4.疲労破壊 設計・施工P51
問5
材料とその性質に関する組み合わせとして、誤っているものはどれか。
1.アルミニウム - 非磁性
2.木材 - 異方性
3.エポキシ樹脂 - 熱可塑性
4.板ガラス - 耐候性
3.エポキシ樹脂 設計・施工P46
問6
次の文の( )内に入る言葉の組み合わせとして、正しいものはどれか。
鋼材は、原料となる鉄に炭素やその他の金属を加えて、加工・成型しやすくしたものである。( a )性に富む不燃材であり、他の材料と比べて特に( b )に対する力は強く、一般的に密度が大きく、高温(300°C以上)で強度が低下し、( c )しやすい性質がある。
1. 耐火 - 圧縮 - イオン化
2. 耐食 - 圧縮 - 脆化
3. 耐火 - 引張 - 錆化
4. 展延 - 引張 - 酸化
4. 展延 - 引張 - 酸化 設計・施工P46
問7
屋外広告物の構造設計をする際に考慮する外力に関して、次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1.一般に風圧力が支配的であるので、風圧力に対して構造設計すれば、地震力に対する検討は不要である。
2.速度圧算定に用いるガスト影響係数Gf は、地表面近傍の方が上空におけるそれより大きい。
3.風速が2倍になると、広告板面が受ける風圧力は4倍になる。
4.速度圧qは、一つの建築物に対して一つの値が求まる。
1.地震力も考慮しなければならない。設計・施工P66
2.その通り。
3.その通り。
4.その通り。一つの建築物に一つの速度圧。
問8
鉄骨構造に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.鉄骨の建方において、建方の進行とともに、小区間に区切って、建入れ直し及び建入れ検査を行った。
2.鉄骨のコンクリートに埋め込まれる部分に、錆止め塗装を行った。
3.トルシア形高力ボルトの本締めにおいて、専用のレンチでピンテールが破断するまで締め付けた。
4.吸湿の疑いのある溶接棒は、その種類に応じた条件で再乾燥して使用した。
2.コンクリートに接触する部分や埋め込まれる部分はさび止め塗装はしない。
問9
鉄筋コンクリ-トに関する記述として、適切なものはどれか。
1.異形鉄筋はどの部分の配筋でも、末端部にフックはいらない。
2.鉄筋の定着及び継手の必要長さは、コンクリ-トの設計基準強度にかかわらず一定である。
3.鉄筋の継手位置は、応力の小さい位置に設けることを原則とする。
4.鉄筋コンクリ-トの鉄筋は酸性のコンクリ-トに囲まれているため、錆びにくい。
1.あばら筋、柱筋、梁の出隅部分の鉄筋、単純梁の下隅筋はフックが必要。設計・施工P199
2.コンクリートの設計基準強度により異なる。設計・施工P200
3.その通り。設計・施工P200
4.コンクリートはアルカリ性。設計・施工P198
問10
土工事及び地業工事に関する用語の組み合わせとして、誤っているものはどれか。
1.独立基礎 - 布掘り
2.法付けオープンカット工法 - 空掘り
3.アースドリル工法 - トレミー管
4.埋戻し - 余盛り
1.布掘りとは、布基礎。布梁等で、布形に細長く掘削する事。
問11
工事費における工事価格の構成中のa、b、cに当てはまる用語の組み合わせとして、正しいものはどれか。
a b c
1.直接工事費 純工事費 工事原価
2.直接工事費 工事原価 純工事費
3.工事原価 純工事費 直接工事費
4.工事原価 直接工事費 純工事費
a b c
3.工事原価 純工事費 直接工事費
問12
普通ボルト・高力ボルト接合に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.高力ボルトの許容応力は軸断面について算定するが、普通ボルトの場合の許容応力は、ねじ部有効断面について算定しなければならない。
2.トルシア形高力ボルトの締付けは、ボルト挿入から本締めまでの作業は、同日中に完了させることを原則とする。
3.高力ボルトと普通ボルトを併用する場合は、継手剛性の大である高力ボルトに全応力を負担させることとし、耐力の累加は不可とする。
4.普通ボルトの呼び径がM12及びM16の孔径は、ボルト径+1.5㎜以下とする。
4. ボルトの穴径はボルト径+1mm以下で、20φ以上は1.5mm以下。設計・施工P172
問13
溶接に関する記述として、適切なものはどれか。
1.一つの継手に2種類以上の溶接を併用するときは、各溶接継目の許容力に応じてそれぞれの応力の分担を決定することができる。
2.完全溶込み溶接の有効長さは、材軸に直角に測った接合部の幅とする。また、有効のど厚は接合される母材の厚いほうの板厚とする。
3.すみ肉溶接の有効のど厚は、通常すみ肉サイズに0.9を乗じたものとする。
4.気温が-10°Cを下回った場合でも、溶接を行うことができる。
1.その通り。
2.有効のど厚は接合される母材の薄いほうの板厚。
3.通常すみ肉サイズに0.7を乗じたもの。
4.-5.0℃を下回る場合は溶接を行ってはならない。
問14
現場の安全点検・安全管理に関する記述として、適切でないものはどれ か。
1.3.0m以上の高所から物体を投下するときは、適当な投下設備を設け、監視人を置く等、労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
2.事業者は手掘りにより、砂からなる地山にあっては、掘削面のこう配を45°以下とし、又は掘削面の高さを6.0m未満とすること。
3.高所の屋外広告物に対しては、公衆に対する危害防止の観点から、目視だけに頼らず詳細な点検を行うことが望ましい。
4.高さ2.0m以上の箇所で現場作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。
2.労働安全衛生規則 第三百五十七条「砂からなる地山にあつては、掘削面のこう配を三十五度以下とし」
問15
図のような突出広告板(ブラケットも含む)に、長期荷重(看板体 W1=1.00kN、ブラケット W2=0.20 kN)、風圧力(2.00 kN/㎡)が作用した時、アンカ-ボルトに作用する応力の組み合わせとして正しいものはどれか。
せん断力 引張力
1.1.00 kN 12.80 kN
2.1.30 kN 13.25 kN
3.1.30 kN 12.80 kN
4.1.40 kN 13.25 kN
2.1.30 kN 13.25 kN
長期せん断力
$QL=\frac{1.00kN+0.20 kN}{4}=0.3kN$
長期引張力
$NL=\frac{1.00kN \times 0.70 m + 0.20 kN \times 0.10m}{2 \times 0.80}=0.45kN$
風圧力
$H1=1.00m \times 1.80m \times 2.00kNm^=3.6kN$
$H2=0.20m \times 1.00m \times 2.00kNm^=0.4kN$
風圧時せん断力
$QW=\frac{3.60kN+0.40kN}{4}=1kN$
風圧時引張力
$NW=\frac{3.60kN \times 0.70 m + 0.40 kN \times 0.10m}{2 \times 0.10}=12.8kN$
最大せん断力
$Q_s=0.30kN+1.00kN=1.30kN$
最大引張力
$N_s=0.45kN+12.8kN=13.25kN$